お店の悩みの一つが、万引きによる被害ではないでしょうか。
万引き等窃盗の被害は、深刻です。お客様を疑う気持ちを持つべきではない、でもそうは言ってられない現実がそこにあります。
第10回全国小売業万引被害実態調査分析報告書 (平成27年6月 特定非営利活動法人全国万引犯罪防止機構 発行)によると有効回答407社に対し、1年間の万引の確保人数が29,926件に上っています。

万引と発覚したのが29,926人ですから、実際発覚していないものを入れると尋常ではない被害がお店に降りかかっているのだと読み取れます。
こうした状況の中からお店の中には、専門の警備業に委託して万引きGメンを導入し対策しているところも数多くあるでしょう。そして、成果をあげていることでしょう。
こうした対策はお店を守るために必要なことなのかもしれません。
では、それが冤罪だったら…。
人に犯罪の疑いをかけて警察の真似事で身柄を確保しておきながら、間違っちゃった、ごめん!では許されない重大な問題です。
この記事では、こうした冤罪の現状、適正な手順を踏まえて欲しいこと、犯罪を疑われた人に大きな影響を与えてしますこと、冤罪を起こしてしまったら誠意と責任をしっかりと取ってほしいといった願いを込めて書きました。最後まで読んでいただけると幸いです。
1.実は万引犯確保での問題発生率は結構高い
第10回全国小売業万引被害実態調査分析報告書 (平成27年6月 特定非営利活動法人全国万引犯罪防止機構 発行)によると、店内確保で問題が生じたことがあるかどうかという興味深い問いがありました。

驚くべきことに問題が生じたことがあると答えた企業が12.8%もあるのです。
あくまで問題が生じたことがあるかどうかであるので、すべてが冤罪とは言い切れません。
対象者が暴れて、従業員が負傷した、「これからレジに行くところだった」と言い訳されたなどそんな問題の話も含まれているかもしれません。
残念ながら、誤認確保発生率の資料は見つけることはできせんでした。
仮に公表されたものあったとしても表面化することは現実的ではないと思いますので、実数字はかけ離れたあてにならないものであることは間違いないでしょう。
話を戻して「問題が生じたことがある企業が12.8%」であること。
さて、ここで考えて欲しいのです。
では、これが警察が逮捕で問題が生じたことがある場合が12.8%あったらどう思いますか?誰しもが思うはずです。「もうちょっと、捜査過程等しっかりしてよ!」と。
1-1.「万引 冤罪」で検索すると現実が見えてくる
最近は便利な世の中で、インターネットで様々な情報を瞬時に手に入れることができます。
検索エンジンの関連キーワードから、どのような人がどんな情報が得たいのかもザクっとですが読み取れることもできます。
「万引 冤罪」の関連キーワードを見てください。
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|---|---|
| 万引 冤罪 慰謝料 相場 万引犯だと間違われた 万引 冤罪 名誉毀損 万引犯だと間違えられた 万引 誤認 対応 万引誤認 損害賠償 万引 誤認 慰謝料 万引 疑われる 万引 罪 万引 間違え |
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上記のような関連キーワードから被害者側が慰謝料いくらもらえるのかな?検索しているだけでなく、お店側も万引の冤罪対応をどうすべきか悩んでいることが見て取れます。
また、検索ボリュームというものがわかるサイトもあるのですが、どのワードがどれほどの頻度で検索されているか把握できます。「万引 冤罪」はそれなりに検索されているワードです。つまり、万引きの冤罪は極めてまれな話ではないということの裏付けでもあると言えるでしょう。
次は店内確保で問題が生じた率が12.8%といった高い数字、及び冤罪を起こした店が対応に追われている数もそこそこあるといった事実から、どうして万引の冤罪が起こってしまうのか考えてみたいと思います
2.万引犯を確保する人の大半は警備員
第10回全国小売業万引被害実態調査分析報告書を見てみると、確保する人の多くが保安警備員だということがわかります。

お店は万引対策ための警備員を導入しているわけですから、警備員を導入しているのにも関わらず不明ロス商品が減らないともなると、警備員に対して何やってんだと思いを抱くことでしょう。そういった事情から、極めて稀なケースだと思いますが過剰な行動に出る警備の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2-1.シロだったらすぐに解放すればいいだけで済むと軽く考えていないか
人は誰しも間違いや過ちを犯すものですが、この万引冤罪に関してはそのような簡単な話ではありません。
警備業法第15条には以下のような規定があります。
そもそも法律で警察でもない人が他人の身柄を確保してよいのは所謂「現行犯(準現行犯)」に限られています。TVで見かける万引Gメンって、このような部分に抵触しないのかなといつも疑問に思います。
適正な手順でなかった場合、不当逮捕・監禁などとして逆にお店側が刑罰に問われることになります。
それだけ、万引犯の捕獲というのは重大な行為をしているということをまずは認識してください。
2-2.相手がクロだろうと万引の聴取の際に絶対やってはいけないこと
・強引に持ち物を調べる
・強引に問い詰める
・長時間、拘束する
警備業務を行うに当たっては、 警察のような特別に権限を与えられているわけではないのです。
現行犯逮捕はしても認められていても、お店や警備員に取り調べる権利などないのです。
3.万引の冤罪と損害賠償
万引犯の確保は、法律に大きく触れる行為であるということをご説明してきました。
そこに間違いがあった場合、相手の人格権侵害等の損害賠償の問題が当然に絡んできます。
3-1.慰謝料の相場は数十万程度だが、冤罪は炎上で大ヤケドする可能性大
それを苦に自殺にまで追い込んでしまった場合は別ですが、通常であれば数万円~数十万円程度。慰謝料などだけ見れば、比較的少額で収まります。
怖いのはここからです。
ちょっと過去のニュースですが2014年の産経新聞の記事です。
「万引冤罪」人ごとじゃない!? 行き過ぎGメン、ずさんな確認 トラブルに発展も
待ちなさい。精算していないものがあるでしょう」。店を出たところで突然呼び止められ、事務所まで連行される。「万引Gメン」(保安員)による摘発の瞬間だ。だが、もしそれが「誤認」だったとしたら-。日本は全国の被害が年間4千億円を超えるとも言われる万引大国。店側には看過できない大きな問題だが、Gメンがずさんな確認による冤罪(えんざい)を引き起こし、トラブルに発展するケースも出ている。
いきなり“拘束”
4月16日午後、神戸市内のある量販店。飲食店経営の男性(51)は粘着テープを購入して店を出た途端、背後からいきなり袖口をつかまれた。
「ちょっと来てください」
後で保安員と分かったが、その場では身分を明かされなかったという。店の従業員らしき人物がもう一方に立ちふさがり、「事実上の拘束状態だった」と男性は振り返る。 事務所でかばんの中身をすべてぶちまけると、保安員は顔色を変え、店長とともに謝罪した。店内で自分の老眼鏡をかばんに入れた行為が工具を万引するように見えたらしい。
「あまりに確認がずさんだ。連行される場面を知り合いにも見られた。このままずっと、万引犯と誤解され続けるのか」。名誉回復の方法がないのが、何よりもどかしいという。
保安員は量販店と請負契約を結んだ警備業者から派遣されていた。万引被害の多発店舗では、こうした契約形態で専門のGメンを配置しているところが少なくない。万引犯の捕捉はあくまで業者の仕事であり、店側はタッチしないわけだ。今回の誤認はなぜ起きたのか。取材に対し、量販店側は事実関係を認めたうえで「詳細は差し控える」とした。警備会社は「話せない」と言うのみだった。
この記事は企業名こそ出てきていないものの、当時は2chでスレッドが経ったり、まとめサイトにもいくつも転載されています。企業名がなくても注目を浴びるネタでした。
これが企業名が載ったものだったら…。
今の時代はニュースにならなくても、TwitterやFacebook等で拡散されていきます。
きちんと冤罪問題を誠意ある対応ができなかった場合、あなたのお店は間違いなくネット炎上に見舞われます。
電凸といわれる無関係者からの電話クレームなどに追われたり、お店の評判が下落して客入りに影響を及ぼしたり、数十万円どころの損失ではなくなるのです。
3-2.事態の相談・解決するために保険という選択
お店の保険というと火災保険であったり、店内でお客さんがケガをした時であったり、販売品に問題があった場合などを想像すると思います。
この万引の冤罪に関わる損害賠償はというと、これも補償する損害保険があります。
当然に弁護士費用など訴訟対応費用なども含まれます。
万引の冤罪にかかわる事案は非常に重大であると説明してきました。
重大なコトである以上、素人がいい加減に処理すべきではありません。
しかるべき専門家に相談するのがお店側の責任であると考えます。
万引の冤罪は相手に大きな傷跡を残します。
ここからの記事は本筋から外れていますが、考えて欲しい事なので読んでいただければ幸いです。
4.万引で確保された人の中で18歳以下の子供が約20%いる
H24の全国小売業万引被害実態調査分析報告書に万引犯の職業構成比を見てください。
18歳以下が約20%もいます。
万引は大した罪ではない。スリリングな体験がしたい…など、
軽い気持ちで行ってしまう子供たちがそれなりの数がいることがわかります。
万引は犯罪です。お店にとって深刻な問題です。

4-1.子供はとても狭い世界で生きているからこそ慎重に扱って欲しい
子供にとって世の中をあまり広く知りません。家庭・学校・地域が自分にとって世の中のすべてであったりします。それを象徴するかのようなお店には直接関係なく学校の問題ではありますが次のような痛ましい事件が起こりました。
「万引き」冤罪気づけず、失った命 広島の中3自殺
朝日新聞 記事
覚えのない万引履歴で生徒指導を受け、志望校に推薦してもらえず命を絶った中学生の事件です。たかだか、学校の一つや二つ…、自分は悪いことはしていないのは事実だし、疑いの一つや二つ大したことない…大人になればそう思えるかもしれません。
誤解の無いようもう一度言いますが、この事件はお店は全く悪くありません。
万引の確保のとき、「ちょっとあなた…」と声をかけて事務所に連れていきますよね。
公衆の面前で「あなた万引したでしょ!」とは言わないものの、その現場を見た人は「あ、アイツ万引だな。」と空気を察します。その現場を見た人の中にもし知り合いいたら…。
当事者同士は解決したとしても、本人たちの知らぬところで噂が駆け巡ったりします。
居づらくなって、その生活圏内から逃げるということは大人と違い子供は簡単にできません。
ただの誤情報が一人の命を奪う可能性があるということを真剣に考えてもらいたいので、紹介しました。
まとめ
万引犯の確保をする際は、いい加減な基準で警察ごっこをすべきではありません。
人に犯罪の疑いを「ごめん!勘違い」では、絶対済まされません。
最悪の場合、人の命をも奪うこと、その人の人生に重大な影響を与えるということをまずは忘れないで欲しいのです。
万引の冤罪を起こしてしまったら、誠心誠意対応しなくてはなりません。
そして、その件が解決したからそれで良しではなく、再発防止に向けたプロセスを専門家を交え徹底的に行うようにしましょう。










