労災保険

労災の病院変更をスムーズに行うために抑えておくべき注意点

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あなたは、労災による怪我や病気を治すために通院しているものの、『病院が家からも会社からも遠く、通いづらいな…』『どうも担当の先生と馬があわないな…』など悩んでいるのではないでしょうか?

労災が発生した場所が出張先や、移動中だった場合、止む無く普段の生活圏から離れた病院に行くこともあるでしょう。また、人間ですからどうしても合わない人がいるのは仕方がないことですよね。

怪我や病気をしただけでも辛いのに、余計なことでストレスを溜めてしまうことは、体にも心にもよくないと思います。
実は、労災の病院変更は自由にできるので、悩みが爆発してしまう前に手続きを進めることが重要です。

この記事では病院を変更する方法、用意する書類や注意点などを解説していくので、ぜひお読みください。

1.労災の病院変更をするための方法

労災による怪我や病気の治療をするとき、病院の変更は自由にできますが、状況により手続きが異なります。
実際に変更に必要な書類や手続きを進めるときに注意するべきポイントを解説していきます。

1-1. 病院の変更をする際に必要な書類と手続き

<労災指定病院から別の指定病院に変更するとき>

労災指定病院から別の労災指定病院に変更するときは、変更先の病院に書類を提出します。
また、使用する書類は仕事中と通勤中で異なります。

仕事中の怪我・病気のとき
様式第6号:療養補償給付たる療養届の給付を受ける指定病院等(変更)
通勤中の怪我・病気のとき
様式第16号の4:療養給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届

労災保険の基本的な部分ですが、労災指定病院であれば、治療費はかかりません。
そのため、変更手続きに際しても治療費の清算など、特にお金のやり取りは発生しないので、比較的簡単に手続きが進められるでしょう。

<労災指定病院から指定外の病院に変更するとき>

労災指定病院から指定外の病院に変更するときは、書類をすぐに用意する必要はありません。
変更後の病院に、変更前に治療をしていた病院からの紹介状等を持って「労災です」と窓口に伝え、受診しましょう。

指定外の病院に変更をすることで、あなたが治療費を一度立替える必要があり、立替えた治療費を労災保険に請求するときに書類が必要になります。

仕事中の怪我・病気のとき
様式第7号(1):療養補償給付たる療養の費用請求書
通勤中の怪我・病気のとき
様式第16号の5(1):療養補償給付たる療養の費用請求書

この書類を労基署に提出することで、一度立替えた治療費は労災保険から戻ってきます。
使用する書類は変更の用紙では無く、労災申請をするための様式なので、【病院の変更】というよりは【新たに労災申請をする】 というイメージです。

<指定外の病院から労災指定病院に変更するとき>

指定外の病院から労災指定病院に変更をするときは、変更先の労災指定病院に下記の書類を提出します。

仕事中の怪我・病気のとき
様式第5号:療養補償給付たる療養の給付請求書
通勤中の怪我・病気のとき
様式第16号の3:療養補償給付たる療養の給付請求書

また、変更の前に指定外の病院に通院をしていたのであれば、治療費を立替えているはずです。
そのため、<労災指定病院から指定外の病院に変更するとき>で解説した労災保険に治療費を請求する手続きも同時に進めると良いでしょう。

1-2.変更の手続きを進めていくときの注意点

<書類には会社の証明が必要>

通常の労災申請を行うときと同様に、変更をするいずれの場合でも会社の証明(押印)が必要です。
しかしながら、退職後や会社が倒産した後に申請をするとき、会社が協力をしてくれないときは、その事情を別紙に記載し、提出することで手続きができます。

<変更書類に記入するときの注意点>

変更書類には、労災が発生したときの状況・変更前の病院・変更後の病院・変更理由などを記入する必要があります。
変更理由については、「自宅から通いやすい病院にしたい」「治療設備が整っている病院に変えたい」などであれば特に問題はないでしょう。

しかしながら、変更の理由として「担当医が人間的に最悪である」「顔も見たくない」など、個人の感情論を書いてしまうと、変更が認められないケースがあるので、絶対にやめましょう。

スムーズな病院変更のために「医師と相談のうえ、治療の方針が合わないから変更したい」という理由が無難です。

<変更前の病院で必ず紹介状を作成してもらいましょう>

病院を変更する際、病院間・医師間で治療の状況を引継ぐためにも、変更前の病院で必ず紹介状を作成してもらいましょう。
引継ぎが無い状態で病院を変更してしまうと、病院変更後の治療がスムーズに進められなくなってしまうため、担当医に相談せず病院変更を進めることは避けましょう。

<病院変更をするメリット・デメリット>

病院の変更をしたいな、と考える理由は様々あると思いますが、変更するにあたりどのようなメリット・デメリットがあるのか、あらかじめ把握しておくことも大切です。

例えば…

遠方の労災指定病院から、自宅近所の労災指定病院に変更する
→ 指定病院同士なのでお金の移動も無く、通いやすくなる。→メリットは十分にある。
自宅近所の労災指定病院から、自宅近所のごく普通の指定外病院に変更する。
→指定外病院に変更するため、治療費は全額負担になり、一時的な負担が大きくなる。→デメリットが大きいかも。
労災指定病院から、自分の状況にあった治療設備の整っている指定外病院に変更する。
→治療費は自己負担になるが、良い治療が期待できる。→メリット・デメリットどちらも大きい。

この記事の冒頭でもお伝えした通り、病院の変更は自由にできますが、上記のようなメリット・デメリットもあるので、変更は計画的に行うと良いでしょう。

まとめ

労災の病院変更の手続きについて解説してきました。
病院の変更を考える理由は様々だと思いますが、治療の状況、今後の見通しや経済的な事情なども考え、状況をよく整理してから行うことをお勧めします。

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