2020年日本には東京オリンピックも控えています。
民泊、シェアリングエコノミーという言葉が聞かれるようになって早数年、ますますこれからしばらくは民泊事業が盛んになっていくことでしょう。
それに向けて、法律も整備されてきています。
平成30年6月より住宅事業法(いわゆる、民泊新法)が施行されるにあたり、Airbnbのような民泊仲介業者も、届出を行っていない民泊事業者について仲介できないことになります。
3月15日から届出の受付も開始されましたし、届出をしようとお考えの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?届出には各種条件がありますが、届出自体にかかる費用はかかりません。(専門の士業の方にお願いする場合は手数料はかかります。)届出をするにあたり、あなたは事業者と認識されるわけです。
一事業者として、万が一の際はきちんと責任をとれるようにしておかなくてはいけませんね。
また、また条例等によっては保険の加入が必須になっていく地域もあるという話も・・・
保険に加入するには、意味のある補償でなければ意味がありませんよね。
今回の記事は、民泊でどのようなことが想定されるのかから、火災保険と賠償保険をセットで加入するとなぜ安心なのかを説明しています。最後までご覧いただければ幸いです。
1.あなたの財産を守るために火災保険で備える
火災保険は火事のための保険と思われがちですが、実は補償次第ではすごく使う頻度の高い保険なのです。火災保険を検討する際、火事の際の補償として当然ですが民泊事業の運営上、よく発生する事例をもとに保険料の観点から外しがちだけれども、絶対に外してはいけない補償をご紹介します。
1-1.民泊者があなたの家財や建物を壊してしまった時には破損・汚損の補償
宿泊者が民泊提供場所の家財をうっかり壊してしまう、汚してしまうなんて話はよくある話です。大抵の場合、後になってから壊されたことに気がつき、賠償請求しようにも当の本人はすでに帰国をしてしまった後ということがほとんどです。
このようなときには、破損・汚損の補償です。
不測かつ突発的な事故(破損・汚損)などといった表記の補償になっています。
この補償は【うっかり起こしてしまった偶然な事故】の時に使えます。
この補償をつけると、保険料は高く感じてしまう方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、つけておいて間違いない補償ですので必ずつけるようして下さい。
1-2.民泊者に自分の家財や建物の一部が盗まれてしまった時のために盗難の補償
ホテルや旅館ですら、備品が盗まれるといった事案が多く発生しています。
電気ポット、液晶テレビ、果てはトイレの便座まで…
盗られないように工夫することは当然にしても、防衛にも限界があります。
民泊施設の設備は事前に型番や購入日、購入金額、写真などしっかりと残しておいた方が良いですよ。
2.他人へ迷惑をかけた時には賠償保険で備える
あなたの民泊事業によって、他人に損害を与えてしまったときは賠償保険があれば安心です。民泊者があなたの施設を利用して第三者に損害を与えた時、逆にあなたの施設を利用した民泊者が損害を受けた時、それぞれのケースを見ていきましょう。
2-1民泊者が近隣住民など他人に損害を与えた時
例えば、あなたが分譲マンションの一室で民泊事業を行っていたとしましょう。
そして、次なようなことが起こりました。
民泊に訪れた外国人が、日本の浴槽に大興奮!
ついつい、はしゃぎすぎて水をバンバン流してしまい階下へ漏水。
階下から損害賠償請求が・・・
民泊者が火災を起こして、周辺の家にまで燃え広がってしまったら…
それは火災保険で何とかなるのじゃないの??と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、火災保険はご自身の財産を守るための保険です。
ですから、燃えてしまったあなたの財産の補償はありますが、火災保険の基本補償だけでは基本的な他人への賠償はありません。
では、どのようにしてこのようなリスクに備えたらよいのでしょうか。
このような場合は、賠償保険に入っておけば安心です。
階下の漏水箇所の修理費用、火災の際の周辺の復旧費用は賠償保険で備えることができるのです。
火災保険の特約に個人賠償責任保険を付帯しているから大丈夫でしょ?という方もいらっしゃるでしょう。
民泊により少なからず事業を営んでいるとなれば、個人賠償の範囲を超えてしまいます。つまり、個人賠償責任保険では備えることができないのです。
2-2.民泊提供場所で民泊者がケガをして、あなたに責任が発生したときにも賠償保険
民泊者が何かあなたに害を及ぼす人のような話ばかりをしてしまいましたが、民泊者が被害者となり、あなたが加害者という状況も当然ながら起こりえます。
例を挙げてみましょう。
・ ガス器具が古く点検不足により爆発し、民泊者が負傷した
・ 戸棚からクギが出ていて、民泊者が負傷した …等
こうした場合にも、賠償保険に加入していれば安心です。
賠償保険から治療費や治療にかかった交通費などの損害賠償金を賄うことが出来ます。
お互い様文化の日本であっても、最近その考え方は失われつつあります。
文化の違う外国においては、なおさら「お互い様」という考え方はありません。
アメリカの裁判例を検索すると、日本人には考えられないような裁判が多く見られます。
訴訟に発展した場合、損害賠償金だけでなく弁護士費用など多額のお金がかかります。
賠償保険に加入する際は、争訟費用やトラブル解決に向けた費用が充実した補償内容を選択する必要があります。
さて、最後に民泊事業に関する保険料の目安はというと…
昨年末、朝日新聞の報道から、
民泊事業者向け保険、東京海上が販売へ 来年1月から
住宅の空き部屋などに旅行客を泊める「民泊」で、管理する部屋を貸し出す民泊事業者が、宿泊者に施設が壊されるなどして物件のオーナーから賠償を求められた場合、賠償費用を補償する保険の販売を、東京海上日動火災保険が来年1月から始める
保険料は、賠償限度額が3億円の場合、80平方メートルで年2万円程度の見込みとのこと。
もちろん、事業規模や建物構造や広さ、設備の充実度や補償内容によって異なります。
保険会社各社から、民泊事業者向けの保険の動向に注目です。
まとめ
あなたが民泊事業を安心して行うためにも、火災保険+賠償保険に加入することが絶対に必要です。あなたの財産を守るため、そしていざ損害賠償請求されたとき・・・いざという時のために、意味のある補償でしっかりと備えておきましょう。