労災保険

1日でできる!労災・雇用保険加入手続きと、おさえたいポイント

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労災保険・雇用保険は必要書類を揃えれば、1日で加入手続きができます。

必要な書類を用意して、労働基準監督署や公共職業安定所へ持参すれば、半日もしくは1日で労働保険の加入手続きができてしまうのです。

しかし、ほとんどの経営者は、日々の仕事に追われ、労災保険や雇用保険の加入が難しく面倒だと思われているようです。

ただし、1人でも従業員を雇うのであれば、設立して10日以内に労災保険・雇用保険に加入する義務があります。         

また、忙しいからといって労災未加入で事故があった場合、ケガをした従業員本人が不安になりますし、会社にもペナルティーが発生するので、必ず加入しておきたいところです。

今回は、労災保険と雇用保険の手続きの流れと、保険料のしくみを解説します。
また、基本的な知識とあなたが手続きの際にやるべきことをまとめています。

この記事を読んだあとには、誰でも1日で労災・雇用保険が加入できる状態になっているはずです。

1.労災保険・雇用保険の加入条件のポイント

労災保険は、労働保険のひとつで、労災保険と雇用保険と2つから構成されています。
労災保険に加入手続きする際は、雇用保険の手続きも必要になりますので、加入条件をご確認下さい。

1-1.労災保険(仕事中、通勤中のケガや病気の補償)は、雇用した時に加入する

法人でも個人事業主でも、1人でも労働者を雇用した時点で加入することになっています。
また従業員に関わらず、パート・アルバイトさんでも加入する義務があります。
保険料は、会社が全額負担します。

1-2.雇用保険(失業保険)は、雇用した時に加入する

上記に同じく労働者(従業員、パート・アルバイト等)を雇用した時点で加入することになりますが、以下に該当する労働者が加入対象になります。

① 1週間に労働時間が20時間以上で、31日以上雇用が見込まれること
② 新たに雇用される労働者が、65歳以上でないこと

保険料は会社と労働者で負担します 。

労災保険と雇用保険は同時に加入すると手続きが1度で済みますので、どちらも書類を揃えて、労働基準監督署とハローワークへ行き手続きしましょう。つづいて、具体的な手続きと必要書類について、解説します。

2.労災保険 雇用保険の加入手続きの4つのステップ

労災保険加入手続きには、一元適用事業と二元適用事業の2種類ありますが、今回は、一元適用事業の場合について加入手続きを解説します。ほとんどの会社が当てはまる労災保険と雇用保険の保険料の申告納付等に関して2つを一元的に取扱うしくみです。

労災保険加入

※1 厚生労働省の所在案内
※2 含めない場合・・・労働保険料の算定基礎となる賃金早見表(例示)

各、手続きの書類には、印鑑の押印が必要になりますので、法人代表印や横判をご持参下さい。
また建設業の場合は、上記と手続きの流れが異なります。

所轄の労働基準監督署や職業訓練安定所ごとに手続きが異なることがあるので、事前にご確認下さい。

3.労働保険料(労災保険・雇用保険)のしくみと目安

次に、概算保険料申告書で記載する労働保険料について解説します。
労災保険と雇用保険の保険料をあわせて労働保険料といい、一般的に次のような計算をします。
会社が労働者に支払う給料の総額を基礎として計算します。

労災保険料 = 給料の総額 × 労災保険料率 (会社が全額負担)
雇用保険料 = 給料の総額 × 雇用保険料率 (会社と労働者で負担)

 3-1.労災保険料率

労災保険料は、業種によって細かく決められています。当然、建設業と事務職のケガの頻度が異なりますので、過去の事故の統計に基づいて料率が決まります。

労災保険料率表(一部抜粋)
事業の種類の区分 業種番号 事業の種類 労災保険料率
林業 02or03 林業 60/1000
漁業 11 海面漁業 19/1000
鉱業 21 金属鉱業、非金属鉱業 88/1000
建設事業 35 建築事業(既設建築物設備工事を除く) 11/1000
製造業 41 食料品製造業(たばこ等製造業を除く) 6/1000
運輸業 71 交通運輸事業 4.5/1000
電気、ガス、水道又は熱供給の事業 81 電気、ガス、水道又は熱供給の事業 3/1000  
その他事業 98 卸売業・小売業、飲食店または宿泊業 3.5/1000

労災保険料率

3-2.雇用保険料率

雇用保険料率表
  労働者負担 事業主負担 雇用保険料率
一般の事業 4/1000 7/1000 11/1000
農林水産・清酒製造の事業 5/1000 8/1000 13/1000
建設の事業 5/1000 9/1000 14/1000
計算例) 卸売業の場合の労働保険料を計算してみます。労働者に支払う総給料額が1,000万円の場合

労災保険料=給料総額1,000万円 × 労災保険料率3.5/1000=35,000円
(全て会社負担)

雇用保険料(労働者負担)=給料総額1,000万円 × 雇用保険料率4/1000=40,000円
雇用保険料(会社 負担)=給料総額1,000万円 × 雇用保険料率7/1000=70,000円

4.労災保険、雇用保険の年度更新について

労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年の3月31日までの1年間に支払われる従業員等の給料の総額に事業ごとの保険料率を乗じて計算されます。

年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日までに行うことになっています。

初年度の保険料は、概算保険料として見込みで労働保険料を支払っているので、初年度に支払った保険料の精算(追徴か返金)と、次年度に支払うであろう給料の総額の概算保険料を納付する手続きが必要になります。

「労働保険 年度更新 申告書の書き方」厚生労働省

4-1.年度更新の注意点

初年度の保険料確定保険料を計算しますが、その際に一般拠出金も納付します。
賃金総額に一般拠出金率(1000分の0.02)を乗じて計算し、申告書に記載します。

一般拠出金とは、アスベストによる健康被害の救済に関する法律により、アスベスト健康被害者の救済費用に充てるために全事業主が負担するものです。 

まとめ

労災保険・雇用保険の手続きは、事前に必要書類を用意すれば、手続きはできます。
また、保険関係成立書・概算保険料申告書・雇用保険適用事務所設置届・雇用保険被保険者取得届の記入は簡単なので、各施設に行き記入・押印して、提出すれば、1日で手続きは完了します。

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