損害賠償

安全配慮義務違反の判例でわかる会社と従業員のホンネ

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最近、安全配慮義務違反を会社側に問う判例が大変増えてきました。
訴訟の種類は様々で、労災事故、 うつ病などの精神疾患、過労死や自殺、パワハラや職場のいじめ問題など職場環境に関わることばかりです。

もし、皆さんがそのようなことが原因でケガや病気を患うことになったら、過去の判例のように会社を相手取って訴訟することもあるかもしれません。どうしても納得いかないことであれば、費用と時間をかけてでも原因や責任の所在を追求するのは、自然な流れかも知れません。

ほとんどの判例が社会事件として高額の支払いを命じられています。世間的に有名な会社であっても、どうしてこんなことまでさせてしまっていたの?と常識では考えにくい内容が大半です。

今回は安全配慮義務違反の判例を通じて、会社がいかに働く人を守らなければならないのか、そして働く人たちがいかに守られるべきか、わかりやすくまとめたのでぜひ参考にして下さい。

1.安全配慮義務違反が会社に問われた有名な判例まとめ

 

電通事件(最高裁 H12.3.24)
“過剰な長時間労働や夜間労働の結果、うつ病を発症し自殺”

【概要】
新入社員(当時24歳)のAさんはラジオ局に配属後、7月くらいから慢性的な長時間労働に従事することになり、休日出勤や徹夜での労働もありました。入社当初は、明朗活発で明るい性格だったAさんでしたが、不眠不休の日々を送るうちに元気はなく顔色も悪くなり、うつ病を発症することに。そして入社わずか1年5ヶ月のときに自宅にて自殺を図り自らの命を絶ちました。
これに対しAさんの両親が会社に対し損害賠償請求をした裁判です。

【結果】
1 会社は合計1億6800万円を両親に支払う内容で和解
2 会社は両親に謝罪するとともに、社内に再発防止策の徹底をする

【裁判のポイント】
1 長時間労働によるうつ病と結果としての自殺に一連の因果関係があると認定
2 上司(会社)はAさんの状況を認識していながらしかるべき措置をとらなかったことによる、 会社の安全配慮義務違反を認定
3 本人の性格を損害賠償算定の減額すべき要素としなかった

川崎市水道局いじめ事件(東京高裁  H15.3.25)
“職場での集団いじめが原因で統合失調症を発症し自殺”

【概要】
水道局の職員のBさんが3名の上司から日常的に陰口や卑猥な言葉で悪口を言われたりした結果、統合失調症を発症。度重なる自殺未遂を繰り返した結果、遺書を残し首つり自殺をした事件の裁判です。

【結果】
被告である川崎市は、遺族に対して1,062万円の損害賠償金を支払う

【裁判のポイント】

1 上司3名の日常的ないじめが原因で精神疾患をわずらい自殺に至る相当因果関係を認定
2 職員Bさんの状況を聞いた上司がしかるべき措置をしていれば自殺はなかったと推測されることから川崎市の安全配慮義務違反であるとし、国家賠償責任を負うとした

JFEスチール子会社(JFEシステムズ)事件(東京地裁  H.20.12.8)
“過度な長時間労働によりうつ病発症、自殺”

【概要】
JFEスチールから出向先のJFEシステムズでシステム開発を担当していた男性社員(当時43歳)は、2000年6月〜8月までの間、毎月100時間を超える残業をしており、また頻発するシステム不具合の対応には過度の精神的負担を抱えていました。そしてのちにうつ病を発症し自殺に至った事例です。
男性の遺族は親会社のJFEスチールと出向先のJFEシステムズを相手取り損害賠償を訴えました。

【結果】
出向先のJFEシステムズに対し7,900万円の支払い

【裁判のポイント】
1 JFEシステムズは、長時間労働を是正し、被害男性の心理的負担を軽減させる対応を見せなかったことは、 安全配慮義務違反であると認定した
2 出向元のJFEスチールについては、「直接監督する立場になかった」として賠償責任を認めなかった

日本海庄や過労死事件(大阪高裁 H23.5.25)
“新入社員が過度な長時間労働により急性心不全で過労死”

【概要】
入社したばかりの新入社員男性(当時24歳)が、入社からわずか4ヶ月で急性心不全により過労死してしまった事件です。19万円程度の初任給には「80時間の残業代」を組み入れていたとのことです。訴えられた側の大庄は裁判で、外食産業としては「残業100時間は一般的」として反論していました。しかし、裁判の結果としては会社と役員に損害賠償金を遺族に支払うことを命じた裁判です。

【結果】
会社と役員4人に対し7,860万円の支払い

【裁判のポイント】
1 新入社員男性の死亡と長時間労働は相当因果関係があったにもかかわらず、 労働時間の変更などの必要な措置をとらなかったことは会社側の安全配慮義務違反であると認定
2 役員個人にも責任追求が及んだのは珍しい事例で、 過労死させた長時間労働の体制を作っていたのは社長をはじめ役員に「悪意または重大な過失により、 体制づくりをしていた」との理由で、役員個人の損害賠償も認定された

以上の判例は、自殺や過労死で家族を亡くした遺族にしてみれば時間も費用もかかって勝ち取った結果でしょう。

遺族の感情としては、
「どうしてうちの息子が死ななければならないの…」
「なんでこんなことになるまで働かせていたんだ…」
そんなやり場のない感情や怒りが湧いてくるのは自然な流れだと思います。

では、どうして自殺や過労死の悲劇が生まれ、このような裁判が起こったのでしょうか。

2.遺族が会社を訴えるワケ

2-1.悔しい、納得がいかない、抑えきれない感情

先ほどの日本海庄やの新入社員の父親はニュースのインタビューで無念さを語ってます。

お通夜で届いた大庄社長の電報の冒頭の
「天命とは申せ、これからの人生が始まろうとしてるのに(中略)—」

(怒りをにじませ)これが電報ですわ!何が天命だ!
こんなひどい会社ないわ。ほんまに無くてもええような会社や、こんなの。何が「社会に貢献する」や。社会には貢献してへん」「はじめからわかっていれば、何もこんな会社にいれないということやね」「ほんとに無念ですわ」と後悔の気持ちを何度も口にした。

My News Japan 2010.7.12記事より引用

 遺族にとっては本当に無念だったと思います。その無念さや怒りは当然会社に向きます。
「怒りや無念さ」から会社になんらかの制裁を加えたい。それも訴訟の一つの要因でしょう。

2-2.原因と責任の所在を明確にしていくうちに更に高まる感情

皆さんも突然身内に後遺症が残る大きな事故や、死亡してしまうような事故があった場合、誰もが「なんで…!?」と大きなショックを抱くことでしょう。

原因はなんなのか、誰の責任なのか究明するのは当然の流れですよね。

本人が悪いの?それとも会社が悪いの?
職場での重大事故となれば、これは本人だけでなく会社の責任を追求する可能性は高くなります。

「こんなに長時間働かせられていたのか…」
「職場でいじめにあっていたなんて…」
「なんでこんなことまでさせられていたのか…」

原因がみるみる明るみになるうちに、被害者は会社側を“敵”と思えてしまうのは仕方ないことかもしれません。本人の過失があったにせよ、職場での事故を防げなかった会社に責任を負ってもらいたい、というのが被害者感情です。

今までの判例の通り、会社には働く人の「安全に配慮する義務」がある のです。
では、なぜ会社は働く人の安全を配慮する義務があるのでしょうか。

次の章はその簡単なまとめです。

3.会社に安全配慮義務があるのは働く人を守るため

3-1.働く人の安全と健康を守る法律があります

そもそも会社は法律によって働く人の安全を守るよう義務づけられています。

「労働安全衛生法」

    労働災害を防止し、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を積極的に進めることを目的とする法律。1972年(昭和47年)制定。

このように、会社や事業者は働く人に対しての「安全配慮義務」が明確にされています。

また、平成20年3月から施行された「労働契約法」という法律もあります。
その第5条でも、働く人の「健康」に配慮しなさいという義務を明確にうたっています。

「労働契約法 第5条」

(労働者の安全への配慮)
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働が出来るよう、必要な配慮をするものとする

    (厚生労働省HP 〜労働契約法あらまし〜より)

会社が守るべき安全配慮義務といってもその対策は多岐に渡ります。

何せ労働災害を防止することが目的ですから、危険作業の対策や、設備や什器の安全状況、メンタルヘルス対策はもちろん、幅広いチェック項目が必要となってくるのです。

会社の安全配慮義務違反に問われる理由は次の二つです。

①  社員が心身の健康を害することを会社が予測できた可能性(予見可能性)があり、
②  それを会社が回避する手段があったにもかかわらず(結果回避可能性)

手段を講じなかった場合に安全配慮義務違反となります。

3-2.安全配慮義務違反をすると会社は何をすることになる?

ちなみに、労働契約法などは直接の罰則はありませんが、会社に安全配慮義務違反があった場合で裁判になるとおもに民法で裁かれることになります。

また判例にもあった通り、

  • 巨額の損害賠償請求をされることが想定される
  • 会社だけでなく役員個人も訴えられることも想定される
  • 長期にわたる裁判費用
  • 風評被害などによる売上減や士気低下 

ですので、訴訟ともなれば会社は損害賠償額だけでは済まない、目に見えない巨大な損失があることも考えられます。

4.会社が安全配慮義務を果たす最大のポイントは予防策

4-1.労災を発生させない予防策を実践しているか

会社には「予防責任」があります。
それは、「労働災害を発生させないように事前にあらゆる予防措置を講じて労働者を保護する義務」です。

それでは、具体的には何を予防策としてチェックして行けば良いのでしょうか。

4-2.労災を発生させない予防策の3つのチェック項目

予防策として次の3つをチェックできる体制作りが必要です。

 チェック1: 社員やアルバイトの勤務実態の把握と見直し

“1週間に40時間、1日8時間労働”が労基法で定められた基準です。
 *これを超える部分が残業などの時間外労働に該当します。

また、労災の基準で“過労死ライン=月の残業80時間 というものがあります。
(*1日8時間労働で20日勤務だとして、1日4時間以上の残業)

 厚労省が推奨するのは残業月45時間以内 としていますが、(*1日8時間労働で20日出勤の場合、1日2時間程度の残業)ほとんどの会社の場合、現場の実態にそぐわない!というのがホンネかもしれません。

「いくら残業しても、まったく仕事は終わらないから仕方ない」
「納期が迫っているから、家に帰ってからも仕事をせざるを得ない」 
「上司が帰らないので、先に帰りづらくズルズル残業せざるをえない」

ですが、“社員の健康を守る”という責任からも、会社としてまずは社員の勤務実態を把握し見直しましょう。

 精神障害等の労災補償状況

ステップとしては、

  • 一人一人の勤務実態を把握する
  • 労働時間を見直す、残業や休日出勤を減らす
  • 有給休暇を積極的に取らせる

会社は社員の労働時間が基準に照らし合わせてみて、多いのか少ないのか数値化して目に見えるようにしましょう。そして次の「社員の健康管理の徹底」を実践していきましょう。

チェック2: 社員の健康管理の徹底

長時間の過重労働による健康被害を予防するために次に会社がやるべきことは下記の2つです。

● メンタルヘルスケアやストレスチェックによる健康被害予防
● 健康診断の結果を踏まえた適切な措置

*H26 厚労省「職場におけるメンタル対策の推進について」より引用

厚労省がこれほどまでに強く労働環境の改善を強く訴える背景は、労災の精神疾患における補償請求件数は右肩上がりという悪しき状況があるからです。

ですので、会社はこの現状を見て“対岸の火事”ではなく、ぜひとも真剣に取り組んで頂きたいものです。

”メンタルヘルス対策のカギは“会社ぐるみ”

会社としてメンタルヘルス対策がうまく行くか否かを決めるカギは会社全体でとりくんでいるかどうかです。

メンタルヘルスとストレスチェックを活用して成功した会社の事例を見てみましょう。

製造業A社【事業場の概要】

● 業  種…医薬品製造業
● 労働者数…71名(男性:28名、女性:43名)
● 平均年齢…30.7歳
● 労働形態…正社員66名、パート5名
● 事業場内スタッフの配置・選任状況…産業医1名、
    衛生管理者1名、メンタルヘルスケア委員会(委員7名)
● 事業場外資源との契約…無

メンタルヘルス対策の具体的な取組内容
1 「安全衛生委員会」によるメンタルヘルスケアへの取組みの決定

● 現状として、メンタルヘルス不調による休職者はいない状態だったが、もし不調者が出た場合の具体的な対処方法はまったくなかった
● 「安全衛生委員会」を立ち上げる。
  メンタルヘルス専門家の指導のもと、“相談しやすい職場環境”を整えるための体制作りを目標とした。

2 ストレスチェックシートによる状況把握

● ストレスチェックシートによる現状把握を、当事業所の従業員全員を対象として実施。
  →結果、不調予備群に入る者が数名いることがわかり、産業医による面談を行う。
  →このストレスチェックシートにより職場の状況把握と、従業員個々人の自己への気づきが改めてできた。
● 面談を受けた多くの従業員は、自分がストレスを感じていて、心が少し弱くなっているとは思っていなかった。
  →面談を受けたことにより、何にストレスを感じているかを再認識し、セルフケアの第一歩を踏み出すことに大きく貢献した。

3 メンタルヘルスケア委員の選出

● 相談窓口を設置。
  →各部署から「話しやすい人」を選び、窓口となる「メンタルヘルスケア委員」を選出。
  →この委員が事業所内スタッフとして、管理職や衛生管理者とともにこれからの活動の主軸となる。
  →「話しやすい人」は、既にコミュニケーションスキルを潜在的に持っていることもあり、ラインケアにおいて重要な声かけを既に日常から何気なく行っていた。
● このメンタルヘルスケア委員が、衛生管理者を含め月に1回メンタルヘルスケア委員会議を開催。
  →この会議で決定した事項
   「メンタルヘルスケア委員の従業員への周知の仕方」
   「相談箱の設置及び利用方法」「相談窓口への専用メールアドレス」など
● メンタルヘルスケア委員が「アサーショントレーニング」などの外部講座に参加し、他の委員や管理者への指導も行う。
● 心の健康づくり計画書の策定。

4 メンタルヘルス教育

● メンタルヘルスケア委員の研修、管理職研修、従業員研修を計4回実施しました。
  →メンタルヘルスケアへの関心及び必要性を社内で共有に大きく貢献。

メンタルヘルス対策を行った効果

● 従業員一人一人が心の健康に関心を持ちセルフケアの大切さを認識した
● 管理監督者は、ラインケアの重要性及び職場における対処法等を学んだ
● 心の健康を害する時、害しそうな時には、相談窓口の利用やメンタルヘルス研修を受講するなどの対処の仕方を明示したことで、従業員全員が抱いていた漠然とした不安感がなくなった。

これからの課題は・・・

● 引き続き従業員のメンタルヘルスケアを続けること。
● 年間計画及び中期計画等をたてマニュアルを作り、システム化すること。
● 休職者が出た時のケアの仕方や職場復帰支援の方法

(*厚生労働省「心の健康づくり事例集〜職場のメンタルヘルス対策〜」より一部抜粋・要約)

この事例からわかるポイントは

  • 会社全体で取り組むことで、社員全体にメンタルヘルスの意識が浸透している
  • 「身近な話しやすい人」を選ぶことで、社内での相談窓口としてうまく機能している
  • 月一回程度の継続的な勉強会を活用することで、社員の意識を持続させている 

このように、他社での取り組み事例を上手に参考にして自社で実践して行きましょう。

また、具体的な取組み方法などがよくわからない場合は、下記の「産業保健活動総合支援事業」などの取り組み支援策をうまく活用しましょう。
これはH26年4月より厚労省が始めた事業なのでオススメです。

例1) 全国の「産業保険活動総合支援事業」を活用するメリット

● 会社や産業保険スタッフ等からの相談対応
● 個別に職場に訪問し助言や指導を実施
● 職場の管理監督者に対する教育の実施
● 職場復帰支援プログラムの作成支援
● メンタルヘルス相談機関の登録・紹介
● 会社、産業保健スタッフ、行政機関等とのネットワーク形成 etc…

*厚生労働省リンク
産業保健活動総合支援事業のご案内(事業者・産業保健スタッフ向けリーフレット)(PDF:521KB)

また、健康診断での社員の健康管理について最後に触れておきますが、

健康診断の結果に対する適切な措置が大切

会社は社員の定期検診を受けさせる義務がありますが、その結果に対する適切な措置が大切になってきます。
なので、健康診断を受けさせるだけでなく、そのあとのフォローが社員の健康被害予防に大きく貢献するわけです。

例) 健康診断を受けた社員の中で、健康上問題点を指摘された社員がいたとしたら

● その社員に治療をすすめる
● 産業医に面談をさせる
● 体に負担をかけさせない業務に変更したり、労働時間の短縮を提案する

などなど・・・

その社員の健康状態を改善して行くよう、健康状態の程度に応じて会社としてできうる適切な措置をすることが大切です。

これも社員の労災予防の大切なポイントですのでぜひ実践しましょう。

 チェック3:社員にとって「快適な職場環境づくり」をする

「快適な職場環境づくり」は会社の労働安全衛生法上の義務の一つでもあります。

仕事や作業をする場所の管理や、作業の手順や内容などの管理を徹底することが、働く人々の労災予防につながるわけです。

快適職場指針ポイント
(1) 作業環境の管理
(2) 作業方法の改善
(3) 休憩室の施設の設置・整備
(4) 洗面所・トイレ等の施設・整備の維持管理

⑴の作業環境の管理については、

作業場の環境には物理的・科学的・生物学的ないろいろな因子があって、それらが作業者の身体に有害な作用を及ぼしたり、健康状態を悪化させたりすることがないように作業場の環境から健康障害を起こす原因を除去し、健康を保つようにしたり、良い環境を維持すること。

とされています。

1. 空気環境
 事務所や作業場での空気環境で、浮遊する粉じんや臭いなど、働く人が不快と感じることのないよう、会社として必要な措置をすることが求められます。 例えば、タバコなども喫煙所を指定するなどの対策をすることが必要です。
2. 温熱環境
 仕事や作業をする場所(屋内/屋外)や、季節などに配慮したうえで、温度や湿度を適切な状態に保つことが求められます。
3. 視環境 
 仕事や作業に適した明るさを確保すること。仕事や作業にともない発生する、目にとって不快な光や色などにも配慮することが求められます。
4. 音環境
 外部の騒音の遮断や、OA機器などを騒音の低いものを採用することや、作業場の機械設備などの騒音も遮音材などで覆うことで騒音の抑制をはかることが求められます。
5. 作業空間環境
事務所や作業場の快適な空間を確保することや、通路などの確保をすることなども必要とされます。

会社がすべての項目において、合格点と言える基準は「衛生管理者」が継続的にチェックすることが必要でしょう。もし社内に衛生管理者がいない場合でも、外部機関を利用することで、会社の作業環境体制の確認はできますので、是非とも自分の会社の現状を確認したいものです。

次に、⑵の「作業方法の改善」にも触れておきますが、仕事を円滑にかつ安全に行う上で必要な、作業工程や機械の使用方法などを細かく管理することが重要となってきます。

● 作業姿勢はどうか
  →腰や首などに負担のかかる不自然な姿勢での作業があれば、機械設備などで代用してみるなどの改善策を図ること
● 荷物の持ち運び作業などで、機械設備の導入で改善を図る
● 機械や設備、器具などの安全な使い方は周知徹底されているか
● 劇薬などの危険物の扱いがルール通りになされてるか
● 事務所や倉庫などの棚が防災上の基準を満たし、崩れにくい状態になっているか
● 高い緊張状態の持続が要求される仕事や、長時間一定の姿勢を持続せざるをえない仕事の場合、緊張や緩和するための機器の導入により負担の軽減を図る

などなど…

作業方法の見直しや改善をすることは、働く人がその仕事が原因によるケガや健康被害を起こさないための予防策となり安全配慮義務を果たすための必要条件です。

まとめ

安全配慮義務とは、会社は働く人を労災から守る義務です。逆に、働く人は快適にかつ安全に働く権利があります。
明らかに違法な長時間労働や過酷な労働環境が働く人の健康被害を発生させていることは年々社会問題化していることは事実です。それにともない、法律は働く人たちを健康被害からいかに守るか、という方向へますますシフトしてきています。
会社は働く人の労働環境を見直し、より快適な労働環境をいかに提供できるかが、安全配慮義務違反で足下をすくわれないための有効な取組みになります。

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コメントはこちらからどうぞ

  1. <JFEスチール子会社(JFEシステムズ)事件(東京地裁H.20.12.8)について>
    JFEの元社員です。JFEには賠償責任なしの判決でしたが、JFEも安全配慮義務違反をしています。JFE出向規程運用要領の3項に「会社は、出向先の安全・衛生管理状況を把握するとともに、必要に応じ出向先への要請を行うなど出向者の安全・健康確保に努める」との規定があり、過労死した原告はJFEにきっと助けを求めているはずです(残念ながら死人に口なし)。さらにはJFEの出向制度は移籍前提の片道切符のため、出向先ではイジメの標的となっており、出向移籍を拒否した場合は別室で自身がパソコン相手に職探しをした末に退職させられるようです。JFEではこの職探しを「求職専念活動」と呼んでいるそうです。止む無く移籍を受け入れると更なる過激なイジメが待ってます。

  2. 私もJFEスチールの社員(福山)でした。副課長に昇格して5年後に横浜のSE技術協力部へ異動となったが、JFEから山九への大量業務移管(約200名)の操業指導のため横浜異動から2年も経たない内(1999年)に福山へ呼び戻され業務移管先のS社へ出向することになった。 ところが業務移管も順調に移行し、請負会社であるS社の収益も順調に向上していった2003年頃からJFE出向社員に対するS社の陰湿なパワハラが始まった。 S社に技術係長で出向した私は、2006年に平社員に突然降格され、元上司の会社への送迎を3年間強要された、平社員に降格された私を今度は「S社本社の選ばれた技能集団ASWITプロジェクトに現状業務を兼務したまま参画せよ」と無理難題を強要されたり、倉敷の赤字業務を黒字にしろなどと強要され。、JFEからも降格はシカトされ、移籍加算金まで不当に減額された。 私は両社のコンプライアンス委員会に告発したが無視され、労組に告発しても御用組合化してまったく効果なし。労基署へ相談し、広島労働局や県労働委員会へ「あっせん申請」したが両社共が拒否。 やむなく昨年5月に広島地方裁判所福山支部へ訴訟を起こしました。裁判は終盤となり、勝つ自信は十分あります。

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