損害賠償

ホテル・旅館などの宿泊業者が必ず入るべき賠償責任保険 その2

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前回の記事では、ホテル側の過失で賠償事故が起きたときに役立つ旅館賠償責任保険を紹介しました。

ホテル・旅館などの宿泊業者が必ず入るべき賠償責任保険

既に記事をお読みになった方は、重要な保険であることがお分かり頂けたかと思います。

しかしながら、ホテル内で起きる事故のすべてがホテルの責任なのか?というと必ずしもそうでは無いことがあります。事故の内容によっては、明らかに宿泊客に原因があるのに…ということもあるのではないでしょうか?

もちろん、宿泊客が個人賠償などに加入をしていればそちらの保険を使うことができるのですが、全員が保険に加入しているとは限りません。また、お客様(お金を払う人)とホテル、という立場から『保険を使って下さい』とは強くお願いできないですよね。

今回はその様な悩みを解決するために、宿泊客がホテル内で賠償事故を起こしてしまったときに役立つ保険をご紹介致しますので、ぜひお読みください。

1.宿泊客が賠償事故を起こしたときに備えホテルが加入できる保険がある

FAQサイトなどでは『ホテルの物を壊してしまいました、賠償が必要でしょうか?』という悩みがよく見受けられます。結論から申しますと、いくら宿泊客といえども、他人の所有物を壊してしまった場合は賠償をする必要があるのです。その様な場合は、宿泊客が個人賠償責任保険に加入をしていれば保険を使えることがあります。

個人の賠償責任保険でしっておくべき大切なポイント

しかしながら、この記事の冒頭でもお伝えをした通り、相手が【お客様】という立場であることから保険を使ってください、とはどうしても強くいえないかと思います。

それに加え、宿泊客はサービスを受けている立場という意識のもとに、『ホテルがなんとかしてくれるだろう』という気持ちが芽生えてしまうことも想像できます。そうなると、ホテルに残された道は【宿泊客が起こした事故に掛かる費用を負担】するしかありません。

ある程度仕方がない部分もあるかもしれませんが、事故の内容や解決までに掛かる費用を考えると、とてもじゃないけど負担はできない、ということもありますよね。

あまり知られてはいないのですが、ホテルが加入することで、宿泊客が起こしてしまった事故を補償できる保険があるのです。

1-1.旅館宿泊者賠償責任保険に加入する

宿泊客がホテル内で賠償事故を起こしたときは、ホテルが旅館宿泊者賠償責任保険で対応することができます。この保険は、ホテルが契約者となり、宿泊客をまとめて保険の対象にする、といったイメージです。保険会社によって様々ですが、旅館賠償責任保険のオプション、また単品で契約することもできます。

例えば、次のような事故が起きたときにこの保険が役立ちます。

  • 宿泊客が階段を降りるときとき、誤って別の宿泊客にぶつかり、大怪我をさせてしまい治療が必要になった。
  • 宿泊客の子どもが客室内の壁に落書きをしてしまい、壁の清掃、張替えが必要になった。
  • 宿泊客が部屋の湯船にお湯を溜めているときに居眠りをしてしまい、お湯が溢れ階下に漏水し、客室と他の宿泊客の持ち物を濡らしてしまった。

上記の様な事故が起きた時の損害賠償金や、裁判に掛かる費用、弁護士の相談費用などを補償することができます。

また、この保険で対応できない主な事故や注意点は、下記の通りです。

※あくまで一例ですので細かい内容は別途、保険会社や信頼のおける代理店にお問合せください。

  • 対象者は【宿泊客】のみで、一時的に施設を利用する人、出入りの業者などは対象外です。
  • 自動車やバイクが原因で起きた事故→当事者の自動車保険で対応します。※自転車は対象となります(人力によるもの)
  • 宿泊客の故意で起きた事故やケンカ、暴行などは対象外です。
  • ホテルに到着してから退出するまでの間に、ホテルの敷地内で起こった事故が対象です。※例えば、ホテル近隣の街中で起きた事故など

1-2.ホテルの評判を守るために保険を活用できる 

単純な見方をすると、宿泊客が事故を起こしても保険があれば安心!ですよね。さらに、この保険は事故が起きた際にホテルの評判を守ることができる、という側面も持ち合わせています。

ここで事故が起きてしまったときに、保険がある場合と無い場合ではどのように流れになるのか、見てみましょう。

少し大げさかもしれませんが、事故の内容によっては当事者も不安な気持ちでいっぱいになってしまうことも考えられます。その様なときに『ご安心下さい』というひと言があると無いとでは、その後の流れが大きく変わるはずです。

もしも、『もう泊まりたくない!』という感情が生まれてしまうと、お客様を失うことになります。さらに、レビューサイトやSNSの発展に伴い、例え内容が言いがかりであろうと、残念なことに悪い噂はすぐに広まってしまいます。

ホテル、宿泊客の両者が安心でき、ホテルの評価を下げないためにもこの保険は有効であると考えられます。

備品などが壊されてしまったときは火災保険を使えることがある

宿泊客が客室の電気を壊してしまった、など備品類に損害が出てしまったとき、ホテルが火災保険に加入をしていると補償される可能性があります。

しかしながら、壊してしまった人が明確になっている場合は次の様な流れになるため、注意が必要です。

一旦は火災保険で補償 → 保険会社が保険として補償した分を宿泊客に請求する(求償)

『恐らく宿泊客が壊してしまったけどチェックアウトしているし追求できない』、という時に火災保険は有効ですが、基本的には賠償保険を優先的に使うのが良いでしょう。

 

1-3.オプションで宿泊客の怪我も補償できる

実はこの保険にはオプションを付け加えることで、宿泊客の怪我も補償できるのです。

ベースとなっている保険は賠償責任保険なのですが、宿泊客の周りで起きる事故を総合的に補償するために、怪我も補償ができる、というイメージです。例えばホテルの階段で足を滑らせて転落した、などホテル側に過失が見当たらずに、宿泊客が怪我をした時に使える保険です。

賠償責任保険の部分は【ホテルの敷地内での事故】という縛りがありますが、怪我の補償については範囲を広げることもできるので、宿泊日程内にホテル敷地外で起きた怪我も補償することができます。

※ただし、山登りやスカイダイビングなど、危険を伴う運動を行っているときの事故や、自動車運転中の事故は補償できません。

各保険会社によって細かい補償は異なりますが、主だった補償は以下の通りです。

  • 死亡保険金:怪我が直接の原因で宿泊客が死亡してしまったときに支払われる保険 ※あらかじめ金額を設定し、死亡保険金として全額を支払います。
  • 怪我が原因で通院治療が必要になってしまったときに支払われる保険(1日につき○○円などの日額補償
  • 宿泊客が怪我をしたとき、また急病になり、病院や医療施設に搬送するための費用、応急手当の費用など ※あらかじめ支払限度額を設定し、その限度内で支払います。

前回の記事で解説をした【お見舞金】と似通った部分もありますが、それに比べ支払限度額も高く設定ができるので、宿泊客が怪我をしたときにホテルに過失が無い場合は、このオプションがより有効です。

また、先に解説をした宿泊者賠償責任保険と同様に、宿泊客に安心を与えられる補償ですので、ホテルやお客様をしっかりと守るためにも必要だと考えられます。

 

まとめ

今回はホテルが宿泊客を守るために入るべき賠償責任保険を紹介しました。

事故が起きてしまってせっかくの旅行が台無しに…宿泊客はもちろんのこと、ホテルとしても残念な気持ちになりますよね。この記事で解説した保険に加入をしておくことで、少しでも安心感を産むことができるかもしれません。

前回ご紹介した旅館賠償責任保険とあわせて加入を検討してみてはいかがでしょうか。

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