あなたは賃貸物件の入居者が孤独死をしてしまったときの保険をお探しではないでしょうか。
ご存知の通り、孤独死は社会問題としてクローズアップされることが多く、統計から見ても非常に残念ながら右肩上がりに増えている現状が見受けられます。不幸にも孤独死や自殺、犯罪死が起きてしまうと、その居室は空室になり、隣室に住んでいる人も退去してしまうと家賃収入は一気に減ってしまいます。
それに加え原状回復に多大な費用を要し、入居の募集を新たにしても新たな契約が決まらない、など多くのデメリットを被ることが予想されます。この様な万が一の不安要素はオーナーとして、当然抱えたくはないですよね。そんな事態を避けるための方法のひとつとして、【家主向けの保険】があるのです。
この記事ではオーナーの悩みを解決できる保険を解説していくので、ぜひお読みください。
1.増加傾向にある孤独死への対策は必須
東京都監察医務院が発表している下記のデータからわかるように、東京23区内に限定しても孤独死が増加傾向にあることがわかります。実に、1日あたり8.5人が孤独死で亡くなっているのです。
それに加え、高齢化や単身世帯化も増加傾向にあるため、建物のオーナーが抱えるリスクは非常に高いと言えます。また、孤独死の場合は発見までに時間が掛かるため、居室の汚れや臭気などがひどく目立ってしまうことも考えられます。
日本少額短期保険協会のレポートによると、発見までの平均日数は17日と2週間を超える日数であり、なかには30日を超える事例もあることから、原状回復に掛かる費用も大きくなることが予想されます。万が一、あなたが所有する物件でこのような事態が起きてしまったとき、ダメージを最小限に抑える手立てを用意しておくことが必要ですよね。
では実際にオーナーがどのような方法でリスクを回避できるのか、解説を続けていきます。
2.家賃収入の減少や部屋の復旧費用など補う保険とは
家賃収入の減少、原状回復に要する費用など、オーナーにとって大きなデメリットをカバーするための保険が損保各社より販売されています。大きく分けて、事故が原因で起こる損失・事故が原因で掛かる費用の2つを補償するものです。保険会社によって補償の内容は様々ですが主に下記のような項目をカバーできます。
事故が原因で起こる損失
- 空室になった期間中に減ってしまった家賃
- 家賃を値引きしたことによる損失
事故が原因で費用が掛かる損失
- 居室や共有部分を修繕・清掃・消毒・消臭するための費用
- 遺品の整理やお祓い・供養に掛かる費用
- 孤独死が発生した居室を改装するための費用
2-1.原状回復の費用は火災保険でカバーできる可能性があるが完璧ではない
孤独死などは誰も予想ができない不測の事態ですので、【不測・突発的な偶然の事故】が補償される火災保険であれば、居室を修繕する費用が保険から出る可能性があります。
ただし、火災保険で注意が必要なのは、損害が臭気のみである場合です。火災保険はあくまで建物自体に損害が発生したときに発動するため、居室が汚損してしまっていることが条件として挙げられます。つまり、火災保険だけでは十分な補償が用意できないので、専用の保険が必要であることがお分かりかと思います。
2-2.原状回復等には500万円以上の費用がかかることもあるので補償は最大限で用意する
ここまでオーナーが被るデメリット、それを保険で補える、ということを解説してきましたが、どれぐらいの費用が掛かるのか?ということをイメージするために、実際に掛かった費用を紹介します。
出典:一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会 発行 第3回孤独死原状レポート
http://www.shougakutanki.jp/general/info/2018/news20180306.pdf
このレポートでは孤独死が発生した際に要した費用が下記の通り、報告されています。
この数字からお分かりの通り損害の金額には大きく幅がありますが、もし最大の損害を被ったとすると、約600万円もの費用がかかることになります。それに加え、家賃の収入も減るわけですから600万円+αのマイナス、という考え方になります。
保険の補償内容によりカバーできる金額は異なりますが、上記のような高額なケースも実際に起きているため、設定できる最大限の補償を用意することが賢明だと言えます。
まとめ
入居者の孤独死や自殺などは建物オーナーにとって非常にダメージ与えてしまいます。高齢者の単身世帯が増え続ける現代において、対策を講じておくことは急務です。
この記事をひとつのきっかけに、保険を準備頂けると幸いです。